憧憬のモノクローム

 

白米と牛乳に踊らされていたオタク、突如として韓国アイドルに出戻り。

 

どうもお久しぶりです。近頃めっきり菅田将暉に魅了され、暇さえあれば菅田出演作品を虱潰しに見続ける、という生活を送っていた私だったのですが……先日、友人に誘われてHISTORYの日本デビューに先駆けたイベントに行ってまいりまして、まんまとCDを予約して、まんまとメンバーと写メールをキメてしまいました。メンズと至近距離で写メールを撮影するなんて、人生史上初の快挙です、ありがとうございました……(枯)。もれなくシャッターを押してくれて、もれなく肩を抱いていただけるなんて思ってもおらず……浅はかだとは分かりつつも一瞬の早さで韓国アイドルに出戻って参りました…だってジェホちゃんハイパーキュートなんですもの……。

 
ということで、以前「HISTORYが少年から男になった」という無理矢理な記事*1を書いてみたことがあったのですが、今回は「男になった彼らのその後」を見ていこうかと思います。彼らの活動を振り返るという意味も込めて、今回は昨年の「Psycho」を。完璧な内容ではないけどもういいやローンチ!!!!

 

▲Psycho

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 まずは楽曲について。

「Psycho」は作曲家イ・ミンスとeast4Aが共同作業した歌で、リズミカルなメロディーに中毒性の強いエレクトロニック要素が特徴だ。人気作詞家キム・イナが愛に執着する1人の男の混乱している心を挑発的な歌詞で表現した。

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もはやお馴染みのメンツ。イミンスとキムイナはデビュー曲「DREAMER」の作曲と作詞を、east4Aは「What am I to you」の作曲に参加しています。楽曲ジャンルに関しては「中毒的なエレクトロニック要素が特徴」という雑なまとめられ方をしているものが多数でした。

歌詞に関してはキムイナ曰く、「女性の心を自分のものにできず、”君は好きにして、僕は諦めないから”という非理性的な男性の話*2」だそう。純粋な気持ちが無意識のうちに激しい執着へと移り変わる様子が見事に描かれていると思います。彼女を傍に置いておくことだけが目的で、もはや彼女の気持ちは考えていない。インターネットの恋愛体験談なんかで、こういう感覚を持つ人の話読んだことあるな……が歌詞を読んでの感想でした。こっちが迷惑をしていて本気で嫌がっても信じてくれない人っているよね。コミュニケーションとは……。

さて、そんな気味悪さ丸出しの歌詞ですが「悪い奴、嫌な奴、イカれた奴、君の好きなように呼んでよ(그래 나쁜 놈, 싫은 놈, 미친 놈 니 마음대로 불러요)」の潔さに惹かれてしまうのもまた事実。こんな人に愛されたくはないですが、第3者目線から鑑賞するのはまた別なわけです。「優しくするから」なんていう歌詞もあって、絶対に優しくしねぇだろお前、と思いつつもハァ気持ち悪い歌詞!と思って喜んでしまう。欲に囚われ狂っている人間の力強さというのは、第三者から見る分には魅力的に映るのかもしれない。

 

▲ミュージックビデオ

さて、お次は目玉と言っても過言ではないMVを見ていきましょう。

 

MVの監督を務めたのはチョスヒョン監督。今迄にも有名アーティスト・アイドルのMVを制作したお方で、東方神起やPSYを筆頭にf(x)「ピノキオ」、BOYFRIEND「ネヨジャソンデジマ」などのMVを手掛けている様子。狭い空間で人を踊らせることが好きな監督なのだと勝手に思っている。

PsychoMVの主な舞台は屋根裏のような狭い部屋。 部屋の中には鏡が吊るされ、部屋の中央にはベッドが。MVストーリーはナドギュン氏も説明している通り、イジョンくんの中に他メンバーの形をした人格が共存している様子を現したミュージックビデオになっています*3。MVの中でメンバーと対峙するイジョンくんは言わば、彼の中にある唯一の理性、といったものでしょうか。

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双眼鏡を使い覗きを試みるドギュン、盗撮した写真を壁に貼って鑑賞するジェホ、彼女に電話をかけるが出ないのでキレるシヒョン、彼女に手紙を書き自宅へと呼び寄せた後強引に彼女を追い詰めるギョンイル。それぞれ迷惑防止条例にひっかかってておりますので完全にアウトです。しかしこれはMVの世界。いいのですいいのです、何でも許されるのです……

イジョンくんの中にいる他4人の人格は、それぞれこっそりと彼女を観察・鑑賞したり、彼女に間接的な接触を試みて彼女の気を引こうとしています。しかし彼らの方法はすべてにおいて姑息で、彼女に真正面から向き合う形ではない。彼女への感情や興味の発露の仕方が根暗というか、ストーカーっぽい。もはやサイコではなくストーカーですタイトル変更しましょう。

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彼女を観察し、彼女を誘き寄せた挙句、彼らの欲求は止まらず、彼女の家に勝手に上がり込みます。そして、ついに彼女の首に手をかけるところでイジョンくんは我に返るが、これは妄想なのか現実なのか。ラストシーンでイジョンくんは屋根裏のような部屋で拘束衣を身につけ挑発的に笑っている。一連の物語は、結局彼女を殺めてしまった過去の回想なのか、それとも「まさかとは思いますが、この「彼女」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。」エンドなのか。うーん、個人的にはギョンイルさんに精神のっとられたエンドが理想ですね(突然の提案)。

イジョンくんはHISTORYにとって無垢の象徴なのだろうなと勝手に思っている。What am I to youでのイジョンくんは、間接的な自虐に走ったり、下着姿で立ち竦み性の挟間で揺らぐ、という危うい男の子でした。何より、身につけていた白ブリーフそのものが無垢の象徴だと思うしね。そんな無垢を背負わされた末っ子イジョンくんが、自分の中の人格に惑わされ葛藤する様子を描いているからこそPsychoのMVを見て胸が熱くなるのだろうし、仲間内から「狼の子孫」と呼ばれるほどのワイルドさを持つ年の離れたギョンイルさんに髪を引っつかまれているからこそ僕たちオタクの胸は高鳴るに違いない。抗いもせずにされるがままのイジョンくんと、イジョンくんの傍らで笑っているギョンイルさんっていう構図だから、リダマンネだから、本当はとっても愛されているから、オタクの心高鳴ってしょうがないのだと思う。

 

▲パフォーマンス

さてオタクの戯言は置いておいて、パフォーマンスにおいて最も重要なダンス。

 ―デビュー曲から、新曲まで、全く違う印象の曲や、ダンスですが、それぞれ、こだわったとことはどこですか?  メンバーで意見を出し合って、歌や、ダンスに反映させることはありますか? 
メンバー:「Psycho」です。
ギョンイル:「Psycho」は振付の担当者と練習している時にいたずらでやったものが実際振付に採用されました。「Psycho」の時、“こっちを見て”と振りもそうですし、僕がイジョンの髪の毛を引っ張る振りシーンもお互いの中で生まれた僕たちのオリジナルの振付です。

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オタクの俺達が萌え滾って遣る瀬無い髪の毛引っ掴みシーンは、彼ら自身で生み出したものだそうです。仲良しだからこそ生まれたパフォーマンスだとは思うよね。

ちなみに「こっち見て」の振り付けは、2013年の韓国映画「新世界」の登場人物が「들어와」と言っている時の動作を参考にしたんだとか。*4 あの血まみれのシーンでの台詞ってことで間違いないんでしょうか。バイオレンス怖くて見れない!

ちなみに簡単にPsychoのパフォーマンスを物置の方でまとめてみましたので、興味ありましたら是非。⇒Psycho活動簡単まとめ 個人的にこの活動の見どころは、MV初っ端でイジョンくんが懺悔のようなことをしてる際に握っているであろうロザリオを、イジョンくんが衣装として身につけている点です。ロザリオをつけているのは彼だけなんです…たぶん…!衣装さん憎いね!

 

▲アートワーク

さて、これまた話はぶっ飛びますが、「今回のMV、ファンスア監督じゃないんだ…」とお悲しみのあなた。悲しむなかれ。DESIREのブックレットを見るに、ビジュアルディレクターを担当しているのはファンスア監督だと思われます。たぶん(韓国語ができないため自信がない)。

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DESIREのデザインとアートワークを担当したのは、framebuildersのようでして、LOEN所属のアーティストは軒並みお世話になっている模様。 今回何よりこのアートワークの不気味さ・不安感を煽る要素が優れていて、サイコ感あふれています。拘束衣着てる時点でもうずるくね?って話ではあるけど、それぞれ表情が違っていいよね!破壊神ソンギョンイル感とイジョンくんの心を閉ざしているような伏し目もずるいし、シヒョンさんの射るような眼差しに、ドギュンさんの憔悴しながらこちらを疑う様子。何よりキムジェホの笑顔がとても気持ち悪い(褒めてる)。

ジャケット写真同様に白黒反転サーモグラフィのようなエフェクトを多用していたり、イジョンくんの顔が糸で飾られていたり、ジェホが志茂田景樹だったり……特に惹かれたのはドギュンさんの写真で、目のまわりだけぼかされている写真。精神病か何かの表現で、こういう写真見たことあるなぁ……なんて思いつつ。

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MVはモノクロ基調でしたが、ブックレットのマンネたちはカラフルでサイコ。HPからアートワークをちらっと見ることができるので是非。写真を撮影したのはLessことキムテギョンさんで、f(x)のHotsummerやShineeのRomeoの写真を撮ってます。こちらも上記のサイトからちらっと見れますので是非。Lessさんの写真見るだけでも面白い。

 

▲DESIRE

さて、終盤になりましたが、Psychoが収録されているCD「DESIRE」の一番の聴きどころはマンネのイジョンくんが作詞作曲を務めた「Blue Moon」だと思われます。

 

「It's All right」の作詞も担当しており、2015年7月現在、彼自身のinstagramに幾度か彼作成であると思われる動画が公開されています。現に次回作となる「Might just die」ではメイン楽曲を作詞作曲し、録音のディレクティングも彼が行った模様で、一歩一歩着実に活動を重ねるごとに彼のポテンシャルを発揮しているようです。 

 

▲まとめ

前作の「What am I to you」から引き続き、MVはストーリー性のあるもので、楽曲については以前よりもコンセプトがはっきりとした作品でした。テーマが陰鬱で風変わりなものであったからこそ、パフォーマンスも少し練りやすかったんじゃないでしょうか。逆にどこまで表現していいのか、どこまでなら過激な表現にならずに済むのか、精神的な表現とは…と悩んだかもしれない、と勝手に思っていますが、どうですかキムシヒョンさん?(突然の問いかけ)ステージを重ねるごとにシヒョンさんの眼力は失われていったので、その点ちょっと残念なんです。しかし、ステージの上で「与えられたキャラクターになりきる」という経験は、きっと今後に生きてくるのではないでしょうか……という激烈上から目線のコメントで今回の記事を締めようと思います♡

 

ということで、次回は「Might just die」の活動とかなんとかに焦点あてて見ていけたらなと思いますし、いずれ俺達のプリンセスキムジェホの愛しさについて語っていけたらなと思いますが予定は未定です!それではみなさんまた来世!

 

つづくかもしれない 

 

*1:

iwakutsukipeople.hatenablog.com

iwakutsukipeople.hatenablog.com

ネネネッコヤーに対する愛が感じられない前篇と頭の悪さを露呈したポエミーな後編。

*2:스페셜 : 네이버 뮤직

*3:영상 정보>멜론

*4:2014年放送「韓on!Fighting」